妊娠中の歯について学びましょう

妊娠中こそ歯を大切にしましょう

妊娠中のお母さんが健康で元気な赤ちゃんを産むためには、体と同じくらいお口周りにも気をつける必要があります。「妊娠中は虫歯になりやすい」と言われますが、実はお母さんのケア次第なのです。赤ちゃんの歯が丈夫で健やかに育つように、まずはお母さん自身が歯のケアをしっかり行っていきましょう。

こちらのページでは、淵野辺市の妊娠中のママと子どもの相談ができる歯医者「やまべ歯科医院」が妊娠中の歯についての基礎知識をご紹介します。

妊娠中こそ歯を大切にしましょう

虫歯になる原因

そもそも虫歯菌は、どのようにして虫歯を作るのでしょうか。お口の中にいる虫歯菌、別名「ミュータンス菌」は糖分を栄養にしてネバネバした水に溶けない物質を作り出します。やがてこのネバネバした物質が「プラーク(歯垢)」になり、ミュータンス菌と他の細菌の住処に。さらにミュータンス菌はネバネバした物質とともに、酸を作ります。エナメル質は酸に弱いので、ミュータンス菌が作り出す酸で溶けてしまいます。この現象を「脱灰」と呼び、いわゆる虫歯の始まりなのです。

ミュータンス菌の餌になる糖分が含まれているのは、お砂糖の入った甘いお菓子だけではありません。お米やパンなどの炭水化物やお魚、果物などにも含まれており、ほぼすべての食べ物がミュータンス菌の餌になると言えます。

ミュータンス菌の酸で歯が溶けても、通常は30~40分ほどで唾液に含まれるカルシウムなどが溶けた部分を修復する「再石灰化」が起こります。食事をしても歯が溶けないのは、「脱灰」と「再石灰化」のバランスが取れているからです。このバランスが崩れることによって虫歯が発生する可能性が高くなります。

妊娠中のお母さんの体と赤ちゃんの歯の関係

妊娠中のお母さんの体と赤ちゃんの歯の関係

お腹の中にいる赤ちゃんは、11mmくらいの大きさになった妊娠7週目くらいに顎の中で歯になる部分が生まれ、3~4ヶ月くらいには将来の永久歯になる部分が、4~5ヶ月くらいには乳歯の形ができます。赤ちゃんは子どもの歯も大人の歯も備えた状態で生まれてくるのです。

赤ちゃんの歯質は、お腹の中で栄養がしっかり補給されることで丈夫になります。赤ちゃんが丈夫な歯で生まれてくるために、そして将来的に丈夫な永久歯が生えてくるために、お母さんはきちんとバランスの取れた食事をすることが大切です。タンパク質やビタミン、カルシウムなどを多めに摂り、食生活に気をつけつつ出産に備えましょう。

迷信に惑わされないようにしましょう

迷信に惑わされないようにしましょう

「一子を産むと一歯失う」という俗説があります。子どもを一人産むとカルシウムをお腹の赤ちゃんに取られてしまうので、歯が弱くなり虫歯になって歯を一本失うという意味ですが、これは迷信です。

お腹の赤ちゃんがお母さんの歯のカルシウムを吸収してしまうことはありません。妊娠して歯の状態が悪くなることはありますが、それは妊娠によって唾液の質が変化し、酸性に傾くことによって生じます。しっかりと歯磨きをして食べ物に気をつけていれば、子どもを産んでも歯を失うことにはなりません。

赤ちゃんが虫歯になる原因とは

赤ちゃんが虫歯になる原因とは

生まれたばかりの赤ちゃんのお口には虫歯菌はいません。虫歯菌には、大人が食べ物を口移しで食べさせたり、虫歯の人が使った食器を口にくわえたりすることで感染します。したがって周囲に虫歯の人が多いと赤ちゃんも感染しやすい環境であると言えます。

乳歯は永久歯と比べて柔らかいので、1本の歯が虫歯になってしまうと他の歯も虫歯になりやすくなります。赤ちゃんのお口を虫歯菌に感染させないためには、お母さんとご家族の虫歯対策が大切です。家族で歯科検診を受けたり、虫歯の治療をしたりすることで大切な赤ちゃんの歯をしっかり守り、丈夫に育ててあげましょう。